belle époque

思ったこと考えたことを気ままに書いてます。長いので時間がある方のみ推奨です。@applebig3

実録・本編評

何もオチがない季節の挨拶は舞台挨拶レポの方でやったのでこちらでは端折ります笑。とはいえ、夏ですね。暑いですね。熱中症にはどうかお気をつけ下さい(ここで言うか)。

 

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ここではシンプルに「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」についての考察・感想・批評を書いていきたいと思います。川崎の4期生舞台挨拶に関しては「実録・舞台挨拶」の方をぜひご一読下さい。

 

【ネタバレはそこまではしてません】

まぁ映画観た人しかこのブログ開かないと思うんですけどね笑。インタビュー内容ぶちまけるのとかは違うけど、そもそもドキュメンタリーってストーリーはあまり無いし、ネタバレとかあるのか…?この場面良かった!とか情景語るくらいならセーフなのでは…?と、Twitterやりながら僕はずっと思っていました笑。

 

細かい場面等に関しては今回書いてません。記憶力の限界でした笑(1回しか観てない&直後に試験期間突入でブログ書けず)。2015年7月に『悲しみの忘れ方』が公開され、11月には円盤が出たので、前例に則れば今年の11月頃に今作の円盤が出るはずです笑。なので場面等に関しては円盤を見て、思い出しながらその時に書きたいと思います。

 

舞台挨拶・本編評とブログタイトルが「実録」となっていますが、これはドキュメンタリー(Documentary)を無理矢理二字熟語に和訳したものです笑。気づいてる方いるか分かりませんが、僕のブログのタイトルは謎の二字熟語縛りなんですよ(特に意味は無いけどキメたいので)。なので"・"の後のサブタイトルが本タイトルみたいなところがあります。にしても「実録」って密着!警〇24時系の密着番組のタイトル感あるな…。まぁ岩下監督はほんとに密着してるようですけど笑。

 

場合によってメンバーを苗字呼び捨てや愛称で書きますが、ある程度基準はあるので適当ということではないです。

考察は個人的見解、感想は個人の主観になります。意見の相違があるかもしれませんが、僕個人で好き勝手書いているものなので悪しからず。感想ブログの催促は受けましたけどね笑。共感される場合は嬉しいですよ笑。反論は認めるは認めます、リプかコメントで来てください。あまり妥協はしたくないので、できるだけエビデンスは取って諸々情報の信頼性は高めますが、面倒になった場合には方向転換して曖昧な記憶で書きます(名言の悪用)。

あと前作『悲しみの忘れ方』との比較・対比が必然的に多くなります。乃木坂というグループのドキュメンタリーで基準となる先例はこれしかなく、比較しやすいためです。まぁわざわざ先例に拘束される必要はないですが、魅せ方・売出し方等の変化を見るのにはうってつけかなと思います。

 

 

いつも通り最初も最初から。

映画の発表時期について。

この映画の公開が発表されたのが6月上〜中旬頃。公開日が7月5日に対してだいぶ遅い…いやめちゃくちゃ遅い発表です。公開まで1ヶ月しかないじゃん笑。前作は早めの発表があった上、公開延期があったものの2015年の年始頃には公開日をある程度定めていたかなと思います。こんなスクランブルな映画初めてですよ(笑)。個人的にはですよ、ライブとかでサプライズ発表して、予告編とかで寧ろ長い間待ち焦がれさせて欲しかったところです。4週間はあっという間ですよ。というかSing Out!発売記念ライブの3日目(5月26日)発表にちょうど良かったでしょ! まぁ乃木坂ヲタクという内輪なら1ヶ月でも全然動員出来るでしょうけど、内容の対象層は別として"一般層に" "本気で"売り込む気があるのかは今回も微妙なところなのかなと感じますね。とはいえグループの規模も4年前とは全く違うので1ヶ月で動員できる自信が運営さんにはあるのかもしれません。それかファンという内輪だけで映画を楽しむのもありです。知識があるのはファンくらいですから。まぁ発表時期に関しては大して重要ではなく、こんなにつらつらと書き連ねる必要もないので次行きます笑。

動員のことを言ってしまうと公開劇場の数から もっと本気出せよ!(©︎松岡〇造)とか色々言うことになるのでここで止めておきます笑。

 

 

尺の配分について。

試写会後に1番荒れたのがこれではないでしょうかね。西野与田等が多いとか言われてましたかね、大まかなパーセンテージまで出してる方がいましたけど覚えてないのでいいです。僕は試写会に行っていないので批評する資格は無いと思い、その時は批判も擁護もしませんでしたが、映画を見た今個人的見解を。

僕の意見としては"致し方ない"です。確かに公平性の観点からすればメンバー全員が出ていないことには文句が出ます。また1期生・2期生推しからすれば、1期生の卒業がテーマなのに長く一緒にやってきたアンダーメンバーや2期生があまり出ずに、3期生が多く出ていることには不満かもしれません。

ドキュメンタリーを作るにあたって、何かにテーマを絞って作ることが考えられます。今作は大きなテーマが存在し、それが西野の卒業です。西野卒業が大きなテーマなので西野を中心として、尺が増えるのは当然のことです。じゃあ西野尺は仕方ないとしてその他を全部平等にするか。そうもいきません。西野卒業を掘り下げるにあたって仲の良かったメンバーや1期選抜の尺も当然に増えます。それであまり関連性のない子は映らなくなってきます。

3期生(大園与田)の出演が多いことに文句が多かったですね。まずこれの大前提として、3期生も歴とした乃木坂のメンバーです。はっきり言ってヲタク達が認める認めないに関わらず、乃木坂46のメンバーという正統性の点では3期生は1期生2期生と同等です。違う点といえば歴史くらいでしょうか。メンバー個人だけ推している人も沢山いるかと思います。ですがこれは乃木坂46というグループの映画で、3期生が出ているのは当たり前のことです。

その上で、今作のもう一つのテーマは何か。それはエースが抜けた後のグループ、つまりグループの未来だと思うのです。

未来で誰が人気が出るとかそんなことは誰も予測出来ません。ひょんなことから誰かの人気が爆発する可能性だってあります。例として、僕が10thで乃木坂を好きになった時、飛鳥ちゃんはアンダーメンバーでした。今や乃木坂の絶対的エースにまでなるなんて当時は全く想像もつかなかったことです。まぁ当時年少だったという点では将来を期待していた人も多かったかもしれませんが、少なくとも僕はお恥ずかしいことにその将来性を見極めることはできませんでした。今やヲタク間では沢山ファンがいて大衆的と言える飛鳥ちゃんですが、当時の飛鳥ちゃん推しはヲタク間では玄人寄りだという印象を僕は受けていたくらいです。

未来は予測できない。じゃあ現時点でグループの将来を担うことが期待されるメンバーとして誰を出していくか。3期生や比較的若いメンバーで。ここでも残念なことに運営の期待度やファンからの人気度が入ってくると思います。西野と仲が良かったとしても、アンダーであったらあまり映らない。そんな残酷な現実が当然のようにアイドル界にはあると思っています。これに関してはグループの映画である以上、人気度や期待度は入ってくるので致し方ないことです。未来というテーマも与えられている今作は運営が将来のグループの中心を担うメンバーとして、3期生への期待の表れでもあるように感じます。そうやって期待されて今回尺を貰った3期生達に関して、僕は特に異論はありません。人気という点でも一定程度以上伴っていると思います。

 

今作はエース卒業と揺れ動くメンバー、グループの変化・うねり、そしてグループの将来といったテーマを基に、人気度・期待度(将来性)を総合的に吟味して各々メンバーに尺が与えられたのかなと思います。またテーマが存在するということは、その分メンバーを絞り込む要素が増えるということだと考えています。それが今回は将来性というところではないでしょうかね。(便宜上、次世代という単語を使いたいのですが、これには賛否があるのでここでは一応避けます。僕個人としては理にかなった表現だとは思っていますが。)

比較の観点からしても"数名をフィーチャーする"という形式は前作の『悲しみの忘れ方』と同様で、今作も確実にそれを踏襲しています。これは確実に言えます。前作はあまり将来ということはなく振り返りが多かったので、当時の人気度や重要度を吟味して選ばれたかと思います。大人数アイドルのドキュメンタリーは畢竟こういう人気度を基に作られているのかなと思います(他のアイドルの映画観たことないけど)。違う点と言えば、前作は明確にテーマを絞っているようには感じなかったので、選抜以外にも焦点を当てることが(当てるかは監督の裁量として)可能であったということでしょうか。

ここまで言っても推しがいないから不満という方はいると思います。推ししか見ていないなら当然のことだし、気持ちは分かります。ただ、あなたの推しが所属している乃木坂46というグループは、こんなにもメンバーの仲が良い素晴らしいグループなんだよ ということは改めて実感して頂きたい。その上でグループも好きになってくれたら幸いです。グループ自体を好きになってくれるのが理想的なんですけどね笑。推し関係なく映画を楽しめますし。

 

 

対象期間について。

多分僕が今作で唯一痛烈に批判する部分です(笑)。乃木坂46のドキュメンタリー"第2弾"として映画公開が発表された際、対象となっている期間が2017〜2019年と明記されていました。電流が走ったくらいの衝撃が個人的に走りました(ロマスタか)。前作が描いたのは2015年上半期、アルバムや西武D公演でグループが再起を図るところまで。また、参考までに約13万部売れた書籍『乃木坂46物語』が描いているのは2015年11月下旬まで。紅白までは入っていません。『悲しみの忘れ方』が公開されたあの夏の後、グループに何があったか。

2015年下半期。グループ初主演ドラマ『初森ベマーズ』、伝説の全ツ神宮公演・Wアンコール、グループ悲願の紅白初出場。

2016年。永島聖羅深川麻衣卒業、初の46時間TV、齋藤飛鳥初センター"いつもと違う夏"の涙の神宮公演、3期生加入、橋本奈々未の卒業発表。

2015年の神宮公演、感動のWアンコール後にキャプテン桜井は何と語ったか。「どこのグループにも負けないようなグループになります!(抜粋)」と。『悲しみの忘れ方』に出てくる"2015"の夜明けの感じも好きですが、このキャプテンのスピーチこそ、グループのターニングポイントであり、その後の快進撃の始まりじゃないでしょうか。個人活動も増えたメンバー達は各方面で活躍しながら、グループのためにと知名度向上に務める、その献身性。乃木坂46が悲願の紅白初出場を達成した2015年、新センター・3期生の新しい風が吹き始め、その一方で去る者もいた2016年。その後グループとして国内最高峰にまで上り詰め、今や"国民的"とまで言われるようになったのはこの2年間があったからだと僕は確信しています。この2年間を語らずして乃木坂46の歴史を語ることは不可能です。さらに厳密に言ってしまえば今作の始点は2017年どころか2017年10月頃からです。今回のテーマとは直接は関係してこないため、これらの期間と切り離しても映画としては成り立ちます。ですがグループとしての連続性、過去の出来事の全ては現在に繋がっていると僕は思っています。全てのことは今に関係しています。だからあの2年を9割8分スルーしたことが納得いかないのです。なので映画だけ観ると、過去との間に空白が生じている時点で僕は今作を第2弾ではあっても、"続編"とは一切考えていません。時系列が切れているので続いていないです。今作は近年の乃木坂46というグループを基として、卒業と変化という点に重きを置いた一つの別の作品です。

まぁこれはあの2年間を描いて欲しかった人の意見なので、続編じゃなくても良いじゃないかと言われたらそれまでであり、何ら正統性はありません。一要望ですね笑。

ふぅ、だいぶ言いたいこと言いました笑。

 

 

視点について。

前作と大きく違うのが映画の一人称視点・語り手だと思っています。前作は元いた場所から逃げ出したり、自分を変えたいと思ったりして乃木坂という場所へと辿り着いた子達の母親達の目線でした。やはり我々には想像もつかないようなメンバーの思いや葛藤が裏にはあったことが母親達の目線で赤裸々に語られます。アイドルではなく、娘としての母親からの見方は本当に涙を誘うものでした。これが大衆向けであるかと言われるとまた疑問が生まれてしまいます。ヲタク達の知っていることをさらに掘り下げたのが母親目線であり、ある程度乃木坂に関する知識を持っていないと分からない、いわば玄人向けの要素もあります。

対して今作は乃木坂のことを全く知らない(らしい)という、CM等を作ってきた岩下力監督の目線で構成されています。まぁ岩下監督が4thバスラ円盤特典の『BEHIND THE STAGE IN 4TH YEAR BIRTHDAY LIVE』を担当していたということは、辻褄が合わなくなるのでここでは言わないことにしておきましょう(笑)。作中で監督がどう映画を作るかめちゃくちゃ悩んでいるという画もありましたね(これは知識じゃなく構成の問題でしたけど)。監督がグループについてあまり知らないというのは、乃木坂について知らない一般層に合わせることが出来る点で一般向けとして長所です。一般人にとって乃木坂の分からない部分を監督(一般人)は汲み取ることができます。監督もメンバーに密着しながらグループのことを現在進行で知り、掘り下げていく様子を客が観る。なので一般人目線で作られた映画とも言えますね。メンバー紹介などの導入部分がとても丁寧で、乃木坂をあまり知らない、白石西野飛鳥くらいしか知らないという一般の人が観ても分かりやすいような作りになっていたのかなと思います。この点、やはりグループが大きくなって内輪だけでなく、新たにグループを知ってもらい、一般層からもファンを取り込むような方針に合致しているのかなと思います。そういう作り方なら劇場数もっと本気出せよ〜〜と観ながら思いましたけど笑。ヲタクを玄人と呼ぶのもなんだか、というところですが玄人にとっての新発見もあって良かったですね。

世間的にまだまだ白石西野飛鳥くらいしか知らない人が多い中、一般向けの内容としても今作は良かったのではないのでしょうか。あとはアイドル映画という偏見を取っ払って動員を増やせればというところ。とはいえ今作は結構ヒットしているようなのでグループの知名度向上に繋がる点でいちファンとして嬉しい限りです。

 

映画の構成について。

映画の構成上前回と明確に違う点が章分けです。これは前作では一切見られなかったものです。監督(一般人)の疑問点や気になった部分をその章の最初で明示することで、今この章で何について掘り下げているかが観ている側にとって分かりやすくなる効果があると思います。細かくテーマ毎に分けた感じですね。思えば前作は結構混ざっていた記憶があります笑。ただこれ、最初は「異常なほど仲が良い」や「よく泣く」のようにテーマで区切られていたものが後半へ進むにつれて、章タイトルはあるものの、普通に時系列で区切っていた気がしますね笑。あと章ごとに時系列が独立していて、章が変わった時に時系列の逆転が起きる可能性があるような気がしました。これは要検証というところですが。

 

比較。

だいぶ野暮だということは承知の上ですが、前作と今作、どちらが好きかということについて。もちろん乃木坂が好きな以上、どちらの作品も好きです。ただ、1つを選ぶとしたら僕は現時点では『悲しみの忘れ方』を選びます。理由としては時期と締め方です。今作はエースの卒業という今後への不安に対して、グループの将来を担うことが予想される子達の言葉に観ている側が期待・希望を見出していくものです。1度頂点を経験し、主力が抜けていく中、軽い燃え尽き症候群となったグループを今後どうしていくか。そこにはある種の先が見えない不安が存在します。

それに対し前作はグループと個々人の成長、紅白落選からの再起。"成長を見る"というアイドルの推し方の王道としては1番面白いですし、落選後、ここから絶対に這い上がってみせるというくらいの意気込みが大好きでした。1度底を味わい、そこから立ち上がり、最高峰まで上り詰める。常に目指すところがあり、着実に坂を上っていることを身に染みて感じることが出来たあの時代が僕は大好きです。もちろん悲しい場面も多かったですが、それも含めて最後にその後の快進撃を予感させ、希望に満ちた方へと感情を持っていく作りが良かったかなと思います。まぁ終わり良ければ全て良しという考え方ですね笑。ラストは髪を切った堀ちゃんでしたが、これも何か変化(もちろん良い方向の)を予感させるようなものでした。

とはいえ、これは僕がその後の結果を知っているからということもあります。今作で描かれているここ数年はグループにとっての正念場です。ここを乗り越え、将来グループが今まで以上の成功を収めたら、「あぁ、やっぱりあの映画でのあの言葉がターニングポイントだったなぁ。良かったなあの映画。」なんて言われる日が来るかもしれません。その可能性だって十分にあります。頑張れ。乃木坂46

 

 

今回は結構アイドルの言いにくいところを書いたと思います。書こうと思えばあまり言及することが好ましくないことにまでさらに踏み込むこともできましたが、そこはさすがにファンとしての倫理観で自粛しました。自分の考えを前提として筋を通すにはどうするか考えた結果、厳しい現実を持ち出すことになりました。仲の良いのグループで数少ない、目を瞑っておきたい部分です。

 

今回はここまでです。具体的な場面の感想については年末にでも。よかったらコメント下さい笑。中の人がとても喜びます笑。語り合うのも歓迎です。

 

ではこの辺で。